ドイツで保険が必要になるとき 荷物保険・賠償責任・緊急時保険編
海外旅行をしたりワーキングホリデーや留学等で外国に滞在していると、日本では滅多に起きないハプニングやトラブルに遭遇しがちです。機内に預けたスーツケースが出てきてみたら壊れていた、電車に乗っていてスリに遭ってしまった、滞在している部屋の床を水浸しにしてしまい、大家さんから修理代を請求されてしまった……、数え上げると切りがないですが、勝手の違う外国では日本では考えられないトラブルが待ち受けています。
ドイツのワーホリ保険、留学保険としておすすめのステップイン旅行保険に加入いただいたお客様からよくいただく保険事例を参考に、今回は病気やケガをした場合の疾病保険に次いで保険金請求の多い荷物保険と賠償責任保険、それから緊急時保険の必要性について考えてみます。(以下、保険適用に関する情報等は、ステップイン旅行保険の補償内容に照らし合わせてご紹介しますのでご了承ください)
荷物保険の対象となる事例
一般的にドイツはヨーロッパの国々の中でも治安はいい方だといわれ、そのようなイメージを持ってドイツに渡航する方が大半なのではないかと思います。これは全く間違いではありません。でも実際にはドイツ全国の年間犯罪件数は、デユッセルドルフの日本領事館によれば日本の約6倍にも上るということなので、治安がいいと思って日本にいた頃のように振舞っていると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことが往々にしてあります。なのでまずは、正しい認識を持っておくことが大事です。その認識があるかないかで、現地での行動は全く違ってくるものです。
犯罪にはスリや窃盗などの金銭が絡むもの、暴行などの身の安全に関わるもの、それからテロ行為までいろいろありますが、最も多いのは何といってもスリです。ステップイン旅行保険のお客様のこれまでのスリ被害の状況についてまとめてみました。
1 荷物の盗難や強奪
スリ被害に遭いやすい荷物
携帯電話-盗難物ナンバー1です。(ぱっと掴みやすいからでしょうか?)カフェなどで飲食中、携帯電話をテーブルに置いておいたところ、注意がそれているうちに盗まれてしまう。 見知らぬ人が自分のテーブルに近づいてきて、意味もなく話しかけてきたので何となく話に乗っているうちに、ふとその人が立ち去ったなあと思ったら、テーブルの上の携帯もなくなってしまっていたというケースはよくあります。それから、ジャケットのポケットなどに入れていた携帯電話が擦られてしまうこともよくあります。高価な物だし、ないととても困ってしまう物なので、物理的にも気持ちの上でもダメージが大きいです。
財布(バッグごと)-レストランで食事の後、会計で支払いをしようと思ってバッグから財布を取り出した時、近くにいたスリに強引に財布やカバンを奪われたという事例は意外と多く見られます。こうなるとスリというより強奪ですが、こういう大胆な行動をとるスリは結構いて、日本人の感覚では信じがたい気がしますが、人前で財布などの貴重品を出すときには周囲に気を配った方がいいですね。
→財布を盗られてしまうと、現金やカード類は保険の適用外になってしまうため、泣き寝入りしなくてはいけない状況に陥りがちです。例えば現地で観光をする場合、驚くほどのキャッシュを財布に入れて持ち歩いている人がいますが、それは現地ではタブーです。普段からあまり多くのキャッシュを持ち歩かない方が賢明です。
自転車-日本でも、盗難といえば真っ先に思い浮かぶのが自転車ですが、残念ながらドイツも例外ではありません。自転車専用道路の比較的整ったドイツに来て、現地で早速新しい自転車を購入する人も少なくないでしょう。でも、新しい自転車ほど目を付けられやすいというのはどこの国でも同じです。住居敷地内にある自転車置き場に自転車を停めておいたところ、鍵をかけていたにも関わらず盗まれてしまうケースも時々あります。ドイツで一般に使われている自転車のカギは日本のものに比べてとても頑丈なものが多く、防犯のためにさらに鍵を2つ、3つとかけている人がいますが、それは一つ名案です。
よくあるスリの手口
ベルリンの日本大使館サイトで紹介されている、よくあるスリの手口についてご案内します。まさかと思うかもしれませんが、すべて実際にステップイン保険のお客様にも起こってしまったことがある事例です。(不覚ながら、私自身にも未遂ながら起きてしまいました)現地にきて、似たようなシチュエーションに遭遇したら、すぐに警鐘を鳴らしてください。
ダンススリ――道で向かいから歩いてきた人物が、おもむろに自分の前でダンスをし出したり空手のポーズ(らしきもの)を取ったり(日本人相手だからか?)しながら接触してきて、からかわれているのかなと思っているうちに気づいたらポケットに入っていた携帯が擦られてしまっていた。
あいさつ・ハグスリ――街中で数人がニコニコと近づいてきて、いきなり何やら挨拶らしきものをしながらハグしてくる。何となく友好ムードが漂っているので「え、何??」と油断してしまいがちだが、彼らが立ち去った後にバッグの中に入っていた財布が盗まれてしまったことに気づく。普通、いきなりボディコンタクトを取ってくる人はいませんので、不自然なほど自分に近づいてくる人がいたら要注意です。
妨害スリ――行く手が遮られる場合。例えば階段やバスや電車に乗る際に二方向から挟まれてしまう。
スリに遭いやすい場所
電車の中――圧倒的に被害が多いのがここです。特に混雑している車内や深夜などは要注意です。ICEなどの長距離列車には大抵、座席の頭上や荷物置き場などにスーツケースなどを置けるスペースがありますが、ここに荷物を置いておくのも危険です。荷物は必ず常に目の届くところに置いておきましょう。
注意!電車の中でうとうと寝てしまうことが多い日本人ですが、これはスリにとっては願ってもない状況です。寝ている間に荷物の盗難に遭ってしまった場合、自身の過失によると見なされて保険が適用されないことがあるのでご了承ください。
駅校内――電車の乗降時、ホームへの階段、キオスクなど、スリがあちらこちらに潜んでいると思っておいて間違いありません。大きな都市の主要駅を利用する場合は特に注意が必要です。
イベント会場――ドイツに来たら、ブンデスリーガのサッカーの試合を生で見てみたいという方も多くいらっしゃるかと思いますが、サッカーのスタジアムでも盗難は頻繁に起きるので、試合に夢中になりすぎるあまり、自分の荷物がどこにあるのか忘れてしまわないよう、気を付けてください。それから、ドイツの冬の風物詩であるクリスマスマーケットも、残念ながらスリの多発地帯です。貴重品はジャケットなどの内ポケットに入れておくといいでしょう。バックパック等を持っていく人は、できるだけ体の前に掛けることをおすすめします。
※スリ被害に遭ってしまったら
スリ被害にあってしまったら、まずはすぐに、できる限りその日のうちに最寄りの警察に盗難届を出してください。この盗難届はその後の保険金請求の際に提出が求められる必須書類です。
2 寄託荷物の損害や遅延到着
盗難の次に多い荷物保険の損害事例は、寄託荷物の損害です。飛行機に乗る際にスーツケースを預け、目的地に到着してスーツケースが出てきたと思ったら壊れていたとか、それでも出てきただけましだけれど、待てども待てども、自分のスーツケースが出てこなかったというケースは本当によくあります。日本を出発して、いきなりこれではショックが大きいかと思いますが、まずは気持ちを落ち着けて、荷物保険のことを頭に思い浮かべてください。こういう時のためにも、海外旅行保険は日本出発日から加入しておくことが大切ですね。
→スーツケースの損害、紛失が起こってしまったら、空港で損害(紛失)届けを必ず出してください。利用した航空会社で補償が行われる場合もありますので、その点についてはその場で確認してください。ステップインの荷物保険に加入している場合は後日、必要書類を揃えて保険金請求手続きを進めていただくことになります。
また、自分が現地の空港に到着した日にスーツケースが到着しなかった場合、後日遅れてスーツケースが手元に届くことがあります。その場合、手元に届くまでの間、現地生活を送る上で日常品を購入する必要が出てくるかもしれません。必要日常品の購入費用も荷物保険の請求対象となりますので、こういう場合は嬉しいですね。購入した品物のレシートはなくさずに保管してください。
賠償責任保険の対象となる事例
賠償責任保険は現地滞在中に人的・物的損害を与えてしまい、その結果、第三者から損害賠償を請求された場合に適用される保険です。ドイツのワーキングホリデービザを申請する際には加入が必須となる保険でもあり、外国滞在時には欠かせない保険の一つに数えられます。「損害賠償責任保険に入っておいてよかった」という事例を2つご紹介しましょう。
1 滞在先住居内での損害
この保険の対象となる事例で最も保険金請求が多いのは、滞在先住居内で損害を起こしてしまった場合です。現地でアパートの部屋を借りて生活する人は多いと思いますが、うっかり水漏れを起こしてフローリングの床を水浸しにしてしまったり、システムキッチンを使用中に壊してしまったり、家具を傷つけてしまったりと、住居内で損害を引き起こしてしまうことは意外と頻繁にあります。その場合、状況によっては家主から修理代を請求されることになり、賠償責任保険の出番となります。ドイツではここ最近、賃貸契約を結ぶ際に家主から賠償責任保険に加入しているか問われる、もしくは加入を求められるケースが増えており、現地に来て賃貸契約を結ぶ段階で「賠償責任保険に追加加入したい」というお客様が時々いらっしゃいますので、疾病保険同様にぜひ加入を検討なさってください。中にはホストファミリー宅に滞在する方もいると思いますが、その場合でも保険が適用されます。
また、部屋の鍵を紛失してしまった場合にもこの賠償責任保険が適用されます。通常この場合、家主から鍵の付け替え費用等を請求されるケースが多いですが、この費用は約款上、同保険の対象となります。
※損害が起きてしまった原因として時々あるのが「使っているうちに壊れてしまった」「落として壊してしまった」というケース。もし、自分が使っていて壊れてしまったとか、使用しているうちに自然に消耗したり摩耗したことで損害が起きた場合は、賠償責任保険の対象にはなりませんのでご留意ください。
2 職務上の責任
ドイツでワーキングホリデーをしたり研究滞在をする方は多いと思います。ステップイン旅行保険は、仕事中(職長訓練としての業務)における賠償責任に対しても保険でカバーされます。この補償は通常、どの旅行保険でもカバーされるという基本的なものではなく、ステップイン保険の一つの特典ですので、「ワーホリでアルバイトをしたい」と考えている方にはぜひおすすめです。
緊急時保険の対象となる事例
「緊急時保険って何?」という方もいるかもしれません。これは、現地の法的保険など滞在型の保険とは異なり、海外旅行保険ならではの補償の一つです。疾病保険や荷物保険等に比べるとこの保険の対象になる事例は多くはありませんが、それでも時々保険金の請求がある事例がありますので、2件ご紹介します。
1 日本の家族緊急時の一時帰国費用
現地滞在中、日本にいる家族が病気や事故で重体に陥ったり、死亡してしまった場合、お見舞いや葬儀に出るために緊急で一時帰国をする場合があります。現地での滞在期間が長いお客様によくあるケースですが、この場合、大抵の方はその後また現地に戻ってきて滞在を継続なさいます。こういったケースでは、超過で生じた飛行機チケットの費用が約款上保険の対象となります。
2 緊急一時金の貸付
これも過去に何度か保険金の請求がありました。窃盗に遭い、手持ちの現金やクレジットカードがすべてなくなってしまったらどうするか。どうやってこれから現地滞在を続けたらいいのだろう。パニックです。その場合は、緊急貸付金を受け取ることが可能です。帰国後、1カ月以内に返済する必要がありますが、当座の非常時はしのげます。
以上、現地滞在中に必要となる海外旅行保険について、荷物保険、賠償責任保険、緊急時保険の事例からご案内しました。これらの保険は病気やケガの治療とは関係ないので、「加入しなくてもいいかな」と思われがちですが、これまでのステップイン旅行保険のお客様から保険金請求があった事例を見るかぎり、加入することは切におすすめする保険です。保険プランによって、最初から基本プランに含まれていたり、オプションで加える必要があったりいろいろですので、希望に沿った保険プランを見つけていただけると幸いです。
疾病保険でよくある損害については「ドイツで保険が必要になるとき 疾病保険編」でご案内していますので、そちらもご参照ください。
保険プラン(保険料/月)
- 基本プランに含まれています。
オプションプランのうち保険料が別途明記されている保険は、ご希望に応じて補足加入が可能です。各保険の補償内容の詳細は日本語の保険約款でご確認いただけます。
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ステップインが提供する保険は、ドイツ旅行保険大手HanseMerkur社の保険です。
現地滞在期間または保険契約期間が13カ月以上の場合は、新規・延長契約ともに疾病保険の保険者が同社子会社のADVIGON社に移ります。保険プランや補償内容等は同じですのでどうぞご安心ください。