レストランで食事をしよう
ドイツ料理と聞いたら、皆さんは何を思い浮かべるでしょう。ソーセージいろいろ、じゃがいも料理、豚肉や牛肉の煮込み料理、ライ麦パン……。日本ではドイツ料理レストランはフレンチやイタリアンなどにくらべるとあまり多くないように思いますが、ドイツ料理は日本人の私たちにはとても食べやすく、そしてすごく美味しいです。もちろん、料理に合うビールも本場ドイツで堪能したいところです。ドイツ暮らしに少し慣れてきたら、ドイツ料理のレストランで食事を楽しみたいと思う人も多いことでしょう。今回は、ドイツでレストランに行くときに知っておきたいこと、メニューの見方、きっと使えるレストランでのドイツ語会話、代表的なドイツ料理などをステップイン旅行保険の日本人スタッフがご紹介します。
ドイツのレストランで食事をする時、日本のレストランとは違うことってあるでしょうか。そうですね、ちょっとだけあります。例えばチップ。それからお会計の仕方。でもそれぐらいでしょうか。何にも難しいことはありません。ただやっぱりちょっとしたことだけれど予め知っておくと、のんびりと余裕を持って食事を楽しむことができると思います。そんな「ちょっとしたこと」を今回はあれこれ、まとめてみました。
ドイツのレストランマナー
- レストランに入る前に
レストランの入口前には大抵、メニューが置いてあるので、それでまずどんなメニューがあるか、料金はいくらぐらいかなどを見ることができます。そうすれば、レストランに入って席でメニューを渡されて、「こんなに高いの!」とびっくりすることがありません。メニュー以外に、その日のお薦めメニューや日替わりメニュー等(Tagesmenü)がボードなどに書かれていることもあるので、それもチェックしておきましょう。 - 店内に入ったらまずあいさつ
午前中~夕方ぐらいまでなら「こんにちは(Guten Tag)」、夜なら「こんばんは(Guten Abend)」と挨拶をしてお店に入ります。もちろん「Hallo!」でも全然いいんですが。大抵は入口付近でスタッフが出迎えてくれるので、自分たちが何人連れかを告げれば適当な席に案内してくれます。勝手に席に着くのはひとまずやめて、案内を待ちましょう。でも実際のところ、「好きなテーブルにどうぞ」と言われることも多いです。人気のあるレストランや週末、混み合う時間帯に行く場合は、予約をしておいた方が無難かもしれません。ドイツではレストランは基本的に禁煙です。(屋外のテラス席などでは喫煙可能な場合もあります)また、小さな子ども用の椅子を用意しているレストランも多いので、希望があったら聞いてみるといいでしょう。 - メニューを見てオーダーする
担当のスタッフがメニューを持ってきてくれます。でも、メニューを渡されるや否や、「お飲物は?」と聞かれることが結構多いです。ブラウハウス(ビール醸造所レストラン)などだったら、「まず一杯もってきて」みたいな感じで、地元のビール以外を注文する人がほとんどいないので、メニューなど見ずに飲み物をすぐに注文する人も実際には多く見かけます。メニューは、飲み物と食事メニューが一緒に書かれていることが多いですが、飲み物メニュー、食事メニュー、場合によってはワインメニューとそれぞれ分かれていることもあります。いずれにしても、まずは飲み物のオーダーから聞かれることが普通です。食事のオーダーは通常、スタッフが注文した飲み物を持ってきてくれた時にします。食後のコーヒーやデザートなどは、食事が終わった後にもう一度聞きにきてくれることが多いので、お腹の満腹具合で注文してもいいですね。
メニューを見て注文する料理が決まったら、メニューを閉じましょう。それは「私、何を注文するか決めました」というサインです。なので、注文する料理が決まってもメニューを開けたままにしておくと、スタッフはなかなかオーダーを取りに来てくれません。まだ何にするか考えているんだなと思われてしまいます。また通常、その席を担当するスタッフは決まっているので、注文の際には、メニューを持ってきてくれたスタッフと同じスタッフに声をかけるようにするといいでしょう。 - 会計はテーブル、チップもお忘れなく
レストランでは、もちろんそのお店のグレードなどにもよるけれど、5~10%ぐらいを目安にチップを払う習慣があります。お勘定は基本的にレジではなくて座っている席で済ませるので、食事が終わってお勘定をしたい時には、その旨をスタッフに伝えましょう。ちなみに、お勘定を済ませた後、すぐに席を立たなければいけないわけではありません。満員で席が空くのを待っているお客さんがたくさんいる時には何となく落ち着きませんが、そうでなかったら、のんびり食後の時間を楽しんでいてもOKです。
チップの話。お勘定を頼んだ後、スタッフが伝票を持ってきたら、その場で支払いを済ませます。支払方法は現金か銀行カード(EC Karte)が一般的。レストランによってはクレジットカードでの支払いができるところもあります。チップは、請求金額から切のいい金額に適当に切り上げて支払うことが多いようです(例えば47ユーロの請求だったら50ユーロ支払うとか)。もしくは、ひとまず請求金額をきっちり払って、もらったお釣りから少し小銭をチップとして机に置いておいてもいいです。自分たちの席を担当してくれたスタッフのサービスがよくて心地よく食事ができたなら、チップをはずんでもいいですね。(逆のパターンもあり)
メニューの見方
外国人や旅行者が比較的多い都市部のレストランならば、メニューはドイツ語だけではなく英語でも書かれていることが多いですが、地方のレストランだったら大抵はドイツ語のみです。レストランによってもちろんメニューの書き方は様々ですが基本はどこでも同じ。一般的なメニューは、次の通りになっています。
Vorspeisen / Für den kleinen Hunger 前菜、またはちょっとだけお腹がすいている人のための小皿料理。これらにパンが切り分けられてサーブされることも多いです。
Suppen スープ料理いろいろ。メインディッシュの前に食べる人が多いので、先に出してもらうか、メインディッシュと一緒に出してもらうか、希望を伝えると言いでしょう。
Salate サラダ料理いろいろ。概ねボリューム満点なので、メインディッシュに添えられるサラダをイメージして注文すると、料理が出てきたら顔が引きつっちゃいます。これだけで十分お腹がいっぱいになる一皿なので、ベジタリアンの方、それから「最近あまり野菜をしっかり摂ってないなあ」という方にはもちろんお薦めです。モリモリ食べてください。
Für die kleinen 子ども向け料理。「ミッキーマウス」とか「ピノキオ」とか、可愛い名前が付いていることが多く、子どもには受けがいいです。代表メニューはスパゲティ・ミートソースなどのパスタ料理、フレンチポテト、チキンナゲット、小さ目のステーキやケーゼ・シュペッツレなど。ただ、子ども向けといってもここはドイツ。結構なボリュームがあったりするので、(よく食べる子なら別ですが)小学生低学年くらいのお子様にぴったりだと思います。
Hauptgerichte メインディッシュ。さすがドイツ。肉料理が充実しています。フライパン料理、オーブン料理など調理方法もさまざまです。魚料理もあることにはありますが、肉料理に比べると選択肢はあまりないかもしれません(バルト海や北海沿岸地方は魚料理が充実しています)。このほか、ベジタリアン向けの料理を別に用意しているレストランも多いです。また料理によっては、サラダが別に付いてくることもあります。
Desserts デザート。こちらの人はデザート好きが多いです。食後にちょっと甘いものを食べて、やっとお腹が落ち着くのでしょうか(気持ちはよくわかる)。エスプレッソやカフェ、食後酒などを注文する人も多いです。
Räuber Teller その名も「泥棒のメニュー」。お皿にフォークやナイフだけをもらって、あとはパパやママの料理をおすそ分けしてもらう小さなお子様は、この“メニュー”を注文してもいいでしょう。もちろん無料です。それからこれを注文できるのは、もちろん子どものみの特権です。
Getränke 飲み物のメニュー。ワインのメニューが別になっているレストランもあります。日本とは違い、お水も注文しないと出てきません。炭酸水、炭酸なしの水の両方が大抵はあるので好きな方を選べます。数人で一緒に飲む場合は、1リットルくらいのボトルを注文するといいです。ビールを頼むなら、もちろんその地方のビールがお薦めです。
お薦めのドイツ伝統料理
ドイツ料理と一口に言っても地方によって様々な郷土料理がありますが、それでもやっぱり「これぞドイツ料理」というのはあります。ドイツは「お肉の国」なので、レストランのメインディッシュと言えばまずは肉料理。牛豚鶏はもちろんのこと、冬場にはイノシシやシカ、ウサギなどのジビエ料理もとても美味です。お肉の付け合せ料理にもいろいろなものがあります……、と書いているうちにお腹が空いてきちゃいました。代表的なドイツ料理をご紹介しましょう。
- シュニッツェル(Schnitzel) カツレツです。代表的なものにウィーン風カツレツなどがあります。子どもにも食べやすい味ですが、何せ大きい。付け合せにはフレンチポテトが添えられていることも多く(これまた大量)、ちょっとしたファストフード感覚です。
- 豚肉のロースト(Schweinebraten) とろ火でじっくり焼いた柔らかいお肉の料理。肉汁とコクのあるグレイビーソースをたっぷりかけて召し上がってください。
- グリルソーゼージの盛り合わせ(Bratwürste) 本場ドイツのソーセージはいろいろな香辛料がピリっときいて食べごたえがあります。ビールもゴクゴク進んじゃいます。ニュルンベルクのソーセージのようにちょっと細めの焼きソーセージも有名です。渦巻きの形になったソーセージもよく見かけます。
- レンズ豆のスープ(Linsensuppe) 「おばあちゃんのレシピ」に出てきそうなドイツの家庭料理の筆頭。スープだけれど煮込み料理っぽいとろみ加減が好きな人にはたまりません。寒い冬には体がポっかり温まります。前菜にどうぞ。
- カイザーシュマーレン(Kaiserschmarrn) 一口サイズに切ったパンケーキ。オーストリアや南ドイツ地方の伝統的なデザートです。りんごを煮詰めたソースと一緒に食べるのがお約束。あまーい!ですよ。でもデザートは甘くなくっちゃデザートじゃない!これ、ドイツのデザートの鉄則です。
- 料理の付け合せいろいろ
シュペッツレ シュヴァーベン地方の名物で、小麦と卵を捏ねて茹でた麺の料理。シュペッツレ( Spätzle)とは「小さな雀」の意味です。子どもにも食べやすいです。
ザワークラウト 日本でも最近よく見かけるようになったキャベツの酢漬け。
マッシュポテト これも典型的。肉料理によく合い、大抵いつもお皿にたっぷりと盛りつけられているのも嬉しいです。
赤キャベツの煮込み この特徴的な赤紫色がお皿の上にないと、何か物足りない気がするぐらい、ドイツ料理の副菜として欠かせません。
クネーデル じゃがいものお団子。クロース、ゼンメルクネーデルなど呼び方は地方によって違うけれど、肉汁をたっぷりかけて食べるドイツならでは一品です。日本人の口にもとっても合うと思います。
フライドポテト ファストフード店ならいざ知らず、レストランでも堂々と出てきます。それも大抵、お皿の中でこれが占める割合はかなりのもの。量の多さは主役級です。ちなみにドイツ人はフライドポテトのことを「ポメス」と言います。
レストランできっと使えるドイツ語会話
Ich möchte am 01.10. um 18h einen Tisch für 4 Personen reservieren. 10月1日に4人で予約をお願いします。
Ist der Tisch noch frei? この席は空いていますか?
Wir sind Vier. 私たちは4人です。
Wir haben auf den Namen○○○ einen Tisch reserviert . ○○○の名前で席を予約しました。
Die Speisekarte bitte. メニューを見せてください。
Was empfehlen Sie? お薦めのメニューはありますか。
Haben Sie vegetarische Gerichte? ベジタリアンのメニューはありますか。
Ich habe mich noch nicht entschieden. まだ注文が決まっていません。
Wir möchten bestellen. 注文していいですか。
Ich hätte gerne ein Wiener Schnitzel. 私はウィーン風シュニッツェルにします。
Wir möchten zahlen bitte. / Die Rechnung bitte. お勘定をお願いします。
Das hat mir gut geschmeckt. とても美味しかったです。
Wo ist die Toilette bitte? お手洗いはどこですか?
Es war zu viel. Könnten Sie es mir bitte einpacken ? 少し量が多すぎました。残った料理を包んでもらえますか?
Wir zahlen getrennt / zusammen. 別々で/一緒に払います。
Ich bezahle bar / mit der Karte. 現金で/カードで払います。
ドイツ料理ならラーツ・ケラーへ
ドイツの町をあちこち旅して、「さあ今日はどのレストランで食事をしようか」と思ったら、お薦めなのが「ラーツ・ケラー(Ratskeller)」。大抵はその町の中心部マルクトに建つ市庁舎などの建物の地下にあるので、町の地図を見なくてもいけちゃうぐらい。観光客には嬉しいですね。長年に渡って地元の人々に親しまれている“食堂”のような素朴さを兼ね備えたレストラン。その町の歴史とともに存在するといってもいいラーツ・ケラーで、地元の名物料理を思う存分味わってください。もちろん、その地方醸造のビールと一緒に。ドイツ全国のお薦めのラーツ・ケラーを5店ご紹介しましょう。
ブレーメン(Bremen)
言わずと知れた「ブレーメンの音楽隊」のブレーメン。市庁舎は音楽隊の銅像が目印です。(目印にしては控えめな銅像ですが)ブレーメン風じゃがいものスープのオードブルからお食事を始めてはいかがでしょう。ワインのメニューも豊富です。
http://www.ratskeller-bremen.de/
リューベック(Lübeck)
北ドイツ、ハンザ同盟で栄えたバルト海地方を代表するこの街の歴史的市庁舎は、中世ゴシックとルネッサンス様式が混ざり合った荘厳な建物。ニシン料理のほか、じゃがいもとビーツと肉を混ぜ合わせたこの地方の伝統料理「Labskaus」を食べることができます。
https://www.ratskeller-zu-luebeck.de/
ミュンヘン(München)
バイエルン地方の郷土料理を楽しみたいならここ。特にオクトーバーフェスト開催中の盛り上がりは最高です。地元名物の白ソーゼージは、見た目は微妙だけど好きな人は病みつきになるらしい。ボリューム満点骨付き豚肉のローストも一度は食べてみたいです。でも、一人で一皿全部食べるのはさすがにきついかも。二人で分けてちょうどいいくらいです。
http://www.ratskeller.com/
ヴュルツブルク(Würzburg)
旧市街に佇む市庁舎、55メートルの高さの塔「Grafeneckart」が目印。フランケン地方の郷土料理が堪能できます。モダンでシンプルな造りのレストランなので、一見さんでも肩肘はらず気軽に食事を楽しめそうです。
http://www.wuerzburger-ratskeller.de/
ダルムシュタット(Darmstadt)
ドイツ人がよく言う「deutsche Gemütlichkeit(ドイツらしい心地良さ)」の中で食事を楽しみたいならここ。マルクトの旧市庁舎にあり、夏場やお天気のいい日にはテラス席もとても人気があります。建物の中にある醸造所で造られた生ビールは、この町を訪れたらぜひ味わってみたいです。
http://www.ratskeller-darmstadt.de/
おまけ 街角で小腹がすいたら屋台へGo!
レストランだけがドイツ料理じゃありません。街角のあちらこちらに立っている屋台でも、典型的なドイツ料理を食べることができます。人気のある屋台だと、いつも長蛇の列ができてますよ。
- 焼きソーセージとブレッツェン ちょっと焦げ目がついた焼きソーセージをドイツのパン、ブレッツェンに挟んで食べます。マスタードやケチャップはお好みでどうぞ。
- ベルリン名物カレーソーセージ ケチャップとカレー粉がかかった焼きソーセージ。付け合せのフライドポテトは山盛りです。
この記事を書いていたら、お腹がすいてきちゃいました。皆さんはどうですか?お住まいの町にある素敵なドイツレストランで、ぜひドイツの伝統料理をいろいろ食べてみてください。ボリューム満点ですが、カロリーなどくれぐれも気にせずに。デザートまでいっちゃってください。
Guten Appetit!!
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