オーストリア生活情報 音楽留学体験記
ビザ申請が12か月間まで延長されたのを機に、にわかに人気が高まっているオーストリアでのワーキングホリデー。観光、語学留学、アルバイトなど外国で様々に活動することができるワーホリを計画している方には、今オーストリアが一つの選択肢として大きく注目されています。おかげ様でステップイン旅行保険でも、オーストリアのワーホリビザ申請をするお客様からのお申込みが急増しています。
そこで今回は、オーストリアに現在、音楽留学をしているステップイン保険のお客様に、現地での毎日の生活やおすすめの観光スポットなどについて生の声を聞かせてもらいました。これからオーストリアに留学やワーホリで渡航しようと考えている皆さんにとっては耳よりな情報がいっぱいです。どうぞご一読ください。
音楽を学ぶならモーツァルトの国へ
オーストリアのどの街にお住まいですか。
ザルツブルクに3年半くらい滞在しています。
留学先としてオーストリアを選んだのはなぜですか。
私は音楽を学びたくて留学を決めたのですが、ザルツブルクに来る前はドイツに数年住んでおり、そこでドイツ語を学び、その後音大大学院を修了しました。しかし、もともとモーツァルトが大好きだったことと、私が学びたい分野に精通した学部のある大学とのご縁も重なり、ザルツブルクに場所を移し、現在はの国立の大学院に在籍しております。
その大学には日本人留学生は多いですか?
ピアノや声楽科、様々な楽器の科で日本人や韓国人などアジア系の留学生はとても多いです。校舎内ではどこからか日本語が聞こえてくることもよくあります。
音大に入るにあたって、ドイツ語はしっかり習得なさったでしょうね。
そうですね。ドイツに住んでいた頃、現地の語学学校でドイツ語をみっちり学びました。でも、オーストリアの音楽大学に入学するために、どの程度のドイツ語のレベルが問われるかは、実際のところはっきりした基準はないように思います。目安としては、B1の語学証明が入学条件となっておりますが、入学時点でレベルに満たない場合は、入学後1年以内に学内のドイツ語コースを受講、語学試験を受ける、と伺っておりますが、実際のところははっきりしていないようです。入学後1年以上過ぎても英語しか話さない学生もいますので。専攻する学科によっても異なりますし、特に楽器専攻の場合、そこまでドイツ語の能力が問われない傾向もあるようです。一般的に、オーストリアは英語が比較的問題なく通じる国なので、学内でも英語が話せればそれほど問題はありません。
しかしオーストリアはドイツ語が公用語なので、ドイツ語を学びたくてオーストリアを目指す方も多くいると思います。
そうですね。でもオーストリア人が話すドイツ語にはオーストリア訛りがあります。ドイツから来てしばらくは聞き返さないと分からないくらいの強い訛りがあり、慣れるまで時間がかかりました。実際のところ、私が知っている限り、ザルツブルクにはそれほど有名なドイツ語の語学学校がないのではないでしょうか。音楽の専門留学を目指すならばオーストリアはおすすめですが、ドイツ語をじっくり学びたい方にはやっぱりドイツに語学留学をした方がいいと私は思います。
休日は何をして過ごしていますか?
学校の課題を片付けたりすることが多いです。でも、時間ができるとザルツブルクの街をいろいろ散策します。街並みが本当に美しく、川沿いの散歩はとても気持ちがいいです。
アルバイトはしていますか?
私は、近所の子どもにピアノを教えています。でも、現地でアルバイト先を探すのは実際、かなり難しいと思います。保守的な国だからか、EU圏外の外国人は採用したがらない傾向もあるように感じます。ワーキングホリデーなどで現地でアルバイトをしようと思っている人は、アジアショップやアジア系のレストランなどを当たってみるといいかもしれませんね。
ドイツ語よりも英語が必須!
オーストリアは英語がよく通じる国だというのは知りませんでした。ドイツではドイツ語が話せないと毎日の生活でとても苦労しますが、オーストリアではそんなことはないんですか?
はい。オーストリアは観光の国だということもあって、外国人でドイツ語が不自由だと分かると英語で話してくれる人がとても多いです。スーパーで買い物をしていても、レジの人は大抵英語で話してくれるので、「ドイツ語で話さなくては‼」と力を入れる必要はあまりありません。ドイツ語ができなくても、英語で十分生活できます。逆に、英語ができないと不自由することがあるかもしれないくらいです。
それはドイツ語初心者には嬉しいですね。一般のオーストリア人でも英語を話してくれるなら、お役所ならもちろん英語が通じそうですね。
はい。オーストリアでの滞在を始めた当時、銀行口座を開設したり、住民届を出したり、外人局でビザの申請をしたりと、何かと役所での手続きが必要になりましたが、そこでも窓口の担当者はちゃんと心得ていて、大抵英語で話してくれますので、その点では手続きがスムーズに進みました。
それは素晴らしい。ドイツでは、外国人を相手にする外人局でも、担当者はドイツ語しか話してくれないのが普通です。英語で話してくれる担当者に当たったら、それはラッキーなくらいです。
そういう心配はオーストリアではありません。
ドイツ語圏ながら英語を話すオーストリア人。さぞかし外国人への理解がありそうです。
それはどうでしょうか……。私の印象としては、オーストリア人は保守的な人が多く、日々の生活において外国人に対する排斥感を感じることは残念ながら時々あります。オーストリア人は比較的クールな人が多く、自分を犠牲にしてまでも他人に奉仕することを美徳とする日本人とは対照的、まずは自分自身や家族のことを一番に考えているようです。その点においては、ドイツ人の方が私たちに国民性が近いという印象を受けましたね。ドイツにいたころは、困っていると「どうした、どうした?」とお節介なくらい(笑)声をかけられたものですが、オーストリア人は、何でもかんでもすぐに人を助けてこようとはしないです。長い間お付き合いする中で、本当に信頼できると感じたら心を開いてくれ、助けてくれます。それに、ドイツ人のように何でも本音をズバっと言うのではなく、オブラートに包んだ物言いをする人が多いように感じます。ですので、あまり干渉されずに自分のペースで生活したい人にはオーストリア、友人たちと家族的な付き合いをしたい、ホームシックになりやすい人にはドイツをおすすめします。
日本人が暮らしやすい国
本音をずばり言わないオーストリア人。ちょっと付き合うのが難しそうでもありますが、オーストリアは日本人にとって暮らしやすい国だと思いますか?
はい。先にお話ししたように、英語が通じる国であることは大きいです。それに何と言ってもオーストリアは街がきれいなので、日本人には住みやすいように思います。
ザルツブルクは殊更素晴らしい街でしょうね。治安も良さそうです。
ええ。ドイツに比べると圧倒的にいいです(笑)。ひったくりなどの被害に遭ったこともありませんし、安心して生活できます。夜間など、駅周辺などでもあまり怖い感じはしませんし、電車や駅構内も比較的きれいです。その意味でも、日本人にとっては暮らしやすいと思います。
物価はどうですか?生活費は月にどれぐらい必要でしょうか。
それはもちろん人によって異なりますが、食費や必要な生活費には、贅沢をしないとして月に400~500ユーロぐらいは必要でしょうか。野菜は日本に比べて圧倒的に安いと思います。
オーストリアの食べ物はどうでしょうか?
お魚もお肉も、それからベジタリアンやビーガン向けの食材も何でもそろっています。ウィーナー・シュニッツェルの本家本元ですので、シュニッツェルはドイツより格段においしいです。全般的に日本人の口に合う食事だと思います。でも、そうは言ってもやっぱり日本食が恋しくなってしまうことがあります。なので、私は日本に帰省すると、いつも大好きなお菓子をいつもたくさん持ってきます!
現地で病院を受診したことはありますか
はい、2度ほどあります。病院によっては予約が必要な場合がありますね。処方箋をもらったら、最寄りの薬局で薬を購入します。これはドイツと同様です。
ザルツブルクでは賃貸物件にお住まいですね。家賃はどうですか?
家賃は比較的高い傾向にあるので、月600ユーロぐらいは少なくとも見ておいた方がいいと思います。学生の場合、賃貸物件以外では学生寮やWG(共同アパート)に住んでいる人も多くいますが、WGでも300ユーロくらいはかかります。ドイツよりも全体的に高いイメージですね。
お部屋探しはどうやってしましたか?
もちろん不動産屋をあたるという手もありますが、いい物件を見つけるのはなかなか難しいので、それよりは学生同士のクチコミや、知り合いの伝手を頼ったり、前に住んでいた人から引き継いだりするのがいい方法だと思います。なので、滞在を始めたばかりで知り合いがほとんどいない状態だと、部屋探しは結構苦労するかもしれません。
モーツァルトの名物チョコレートと観光
オーストリアといえばモーツァルト、ザッハトルテとカフェ文化が有名ですが、街に素敵なカフェは多いですか?
ザルツブルクの街にはいたるところにカフェがあります。中でも「Café Fürst」という老舗のカフェは観光客でいつも賑わっていて、市民にもとても人気があります。そこの名物であるモーツァルト・クーゲル(Mozartkugel)は、この街に来たら買わずに帰るわけにはいきません。直径3.5㎝くらいの大きさの丸いチョコレートのお菓子で、1個1,40ユーロ(約160円)とちょっと高いのですが、私も日本へのお土産には必ず買っていきます。カフェで食べることもできますが、ちょっと立ち寄って一つ二つテイクアウトで買っていく人もよく見かけます。
ころんとした丸い形がとても可愛いんですよね。他にも、オーストリアといえばザッハトルテが有名です。チョコレート生地に杏子ジャムが混ざり、さらにチョコレートでコーティングしてあるので、見た目は「いかにも濃厚そうな焦げ茶色のケーキ」です。横に添えられているホイップクリームの白色とのコントラストがオシャレだなと思っていました。本場では食べたことがありませんが、実際のところお味は?
もちろん、一度食べてみたいという人は多いですが、私は「一回食べればいいかな」という感じです。とても濃厚なケーキなので、一緒にビターなコーヒーは欠かせません(笑)。
それからやはり、ザルツブルクに来たら必ず足を運びたいのがモーツァルトの生家ですね。
はい。中は博物館になっています。モーツァルトが産まれた部屋とか音楽ブースがあったり、子供時代に使っていたバイオリン、また現代でいうところのファンからの贈り物(主に宝飾品等)が展示してあったりと見どころいっぱいです。(上写真、黄色の建物)
またオーストリアと言えばアルプスの大自然が思い浮かびます。おすすめスポットはありますか?
ザルツブルクから2時間半ぐらいで行けるHallstadt(下写真)という地方はとてもおすすめです。気軽に日帰りで観光もできます。それから、Wolfgangseeという湖が広がる地方は、夏は真っ青な湖の麓でサイクリングやハイキングをしたり、船に乗ったりといろいろ楽しめます。冬にはスキー客もたくさん訪れます。
最後に、これからオーストリアに留学やワーキングホリデーで渡航しようと考えている方にアドバイスをお願いします。
オーストリアは世界的な観光国であり、英語がよく通じる国なので、ドイツ語ができなくてもあまり心配はいりません。その意味では少し気が楽かもしれません。一方、英語の能力が求められる場面が比較的多くあるので、英語の力はつけておいた方がいいでしょう。
私が住んでいるザルツブルクはもちろんのこと、オーストリアはどの街も景色がとても美しいです。古い街並み、眼前には例えば冬なら雄大な山々の雪景色が広がり、空気や空もとてもきれいです。そんな美しい風土のもと、ゆっくりと生活を楽しみたいという方にはオーストリアはぜひおすすめです。
音楽に対する国民の意識もとても高いと感じます。音楽を嗜んでいると言うと尊敬の眼差しで見られます。何かしら楽器を習っている子供たちも多く、小さい頃から音楽に触れさせたいと考えているご両親もとても多いです。ですので、音楽留学をするには最適な環境だと思います。
皆さん、最後までご一読ありがとうございます。これを読んで、オーストリアへの留学熱が一段と高まったでしょうか? ステップイン旅行保険はドイツの保険会社ですが、オーストリアにワーキングホリデーや各種留学をする方にもおすすめできる保険です。補償内容、おすすめ保険プランなど、ご質問がありましたら日本語でお気軽にお問合せください。
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