ドラッグストア活用法
コンビニや百均ショップで何でも揃ってしまう日本での生活に慣れていると、ドイツではたと途方に暮れてしまいます。そう、ドイツにはコンビニも百均もありません。毎日の生活はいたってシンプル、買い物をするならスーパーです。でも、スーパーだけではさすがに日々のあれこれをすべて調達することはできません。そこで欠かせないのがドラッグストア、日本でいう「薬局」です。ドイツではドラッグ・ストアが手広くチェーン展開をしていて、どの街にも必ずといっていいほど「dm」「ROSSMANN」「Müller」といった大手ドラッグストアのお店があります。ドイツ人にとって、細々とした日常品の購入にドラッグストアはなくてはならない存在です。ドイツで生活を始めたら、まずは最寄りのドラッグストアをチェックしましょう。大抵のものはそこで揃ってしまうという、いわゆる“ドイツのコンビニ”、ドラッグストアの賢い利用法をご案内します。
野菜、果物、肉以外の食品
さすがに、野菜や果物や肉や魚はスーパーで買うしかありませんが、それ以外なら調達可能です。牛乳や乳製品、粉ものや豆類、油や酢や塩砂糖、お菓子など、一通りのものは売っています。オリジナルのブランドを展開しているドラッグストアも多く、人気が高いので、例えばオリーブオイル、スーパーでももちろん買えますが、わざわざドラッグストアのオリジナルのオイルを買う人も少なくありません。
ナチュラル志向の食品が比較的多いのも特長です。全粒粉やライ麦から作られたパンやパスタやクッキー、有機農家が栽培したはちみつやジャム類やコーヒー豆、アマランサスやキビなどの穀類、日本ではなかなか手に入らないエーデルフラワーのシロップなどもお手頃な値段で売っているので、ついつい手に取ってしまいます。
ベジタリアン、ヴィーガン食品
ベジタリアンはもちろん、ここ数年急激に市場に出回り始めたヴィーガン向け食品も簡単に買えてしまうのがドラッグストアの良いところ。豆腐や豆乳製品、ヴィーガン・チョコレートなどのお菓子は特に人気があり、ちょっと割高にはなってしまいますが美味しいです。日本でも人気のあるお菓子のグミは、ドイツでは子どもに人気があるお菓子ナンバーワンですが、こちらでは宗教上の理由から普通のグミではなくビオのグミも出回っていて、ドラッグストアにも並んでいます。
医薬品
日本のドラッグストアの薬コーナーにはさすがに負けるけれど、それでもなかなか頼りになる品揃えです。風邪薬、頭痛薬、胃腸薬、湿布、軟膏、絆創膏……、処方箋なしで買える医薬品のコーナーは、いざという時に助かります。ティーパックのコーナーも素通りできません。体調を崩したときに飲みたくなるカモミールティーなどのハーブティー、本格的に風邪を引いてしまったときのための風邪引きさんのお茶、気管支の炎症に効くお茶、子ども用のお茶など、いつも家庭に常備しておきたいお茶が揃っています。
メーク用品
日本のドラッグストアでも、最近は良心価格ながら質の高いメイク用品が並ぶようになり、気軽さが受けて人気ですが、ドイツも同じ。ドイツでは、日本のようにデパートの化粧品コーナーが充実しているわけでも数が多いわけでもないので、中高生からシニア世代まで、化粧品を買いたいなと思ったらまっさきに思いうかぶのがドラッグストアのメイク・コーナーです。お手頃ブランドがいくつか並び、お試しももちろんできるので、このコーナーはいつも女性客で賑わっています。
フェイスローションや乳液、美容液などの美容コーナーもチェックしましょう。あまりにいろんなブランドと商品が出回っていて、どれを選んでいいのか目移りしてしまう日本ほどではないけれど、品ぞろえは適度に豊富で買い物がしやすいです。ナチュラル系ブランドも最近は人気上昇中で店頭にたくさん並んでいるので、楽しくお買い物ができますよ。
ペット・グッズ
ペットを飼っている人にもドラッグストアは便利。犬や猫はもちろん、うさぎやハムスターのペットフードもいろいろ買えます。ペットのトイレ砂や首輪、ペット用玩具もあったりして、思わず買わなくてもいい物にまで手が延びちゃいます。ペット用品やペットフードは専門のペットショップでももちろん買えますが、ドラッグストアの方が価格は一回り安いのでお薦めです。
フォト製品
デジタルカメラで撮った写真データの現像やフォトブック、ポスターやパネルなどの作成もドラッグストアなら気軽にできちゃいます。オリジナル写真をいろいろなグッズに利用したフォトグッズの充実ぶりもすごい。マグカップやクッション、マウスパッドにお気に入りの写真を取り入れてオリジナルグッズを作れば、世界に一つだけの素敵なプレゼントの出来上がりです。アルバムやフォト・フレームも、お洒落な雑貨のお店で売っていそうな感じの商品がさりげなく置いてあったりして、個人的にとてもおすすめです。
雑貨いろいろ
イースターが近づくと卵やうさぎをモチーフにしたデコレーションやチョコレートが並び、秋が深まりザンクト・マーティンの季節がやって来ると、どんぐりや木の実など紅葉カラーが目を引くデコレーションと一緒に、子どもたちがお祭りの行列で手に持つランタンの手作りキット・コーナーが賑わい、クリスマスシーズンには、サンタさんやトナカイ、天使や長靴などクリスマスグッズ、ラッピング用品がずらりと勢ぞろい。他のショップでももちろん買えるけれど、ドラッグストアだととっても気軽に手に取ってみることができるし、プチ・プライスなのも嬉しいところ。日常品のあれやこれやと一緒に、ついついカゴに入れちゃいます。
ペットボトル
日本なら、出先で喉が渇いたなあと思ったら、目の前にあるコンビニでペットボトルのドリンクを買えばいいわけですが、そうはいかないのがここドイツ。でもドラッグストアには、ペットボトルのドリンクコーナーも大抵設けられています。デポジットがあるので、ペットボトルは飲んだ後ポイと捨ててしまわないよう気をつけないといけませんが、夏の暑い日にマイボトルを持って出かけるのを忘れてしまったときには、ドラッグストアに立ち寄って、冷蔵庫で冷やされたペットボトルを購入するのも一案です。
ちなみに、お店によっては店内に冷水器が設けられているところも少なくありません。備え付けの紙コップで自由にお水が飲めるようになっている何とも嬉しいサービスです。買い物に夢中になっていて喉が渇いてしまったとき、子どもが突然「のどかわいた~!」と暴れ出したときなど、ぜひこの冷水器を思い出してください。
製菓グッズ
ドイツでは、子どもの誕生日パーティーやちょっとした集まりなど、めいめい手作りのケーキやマフィン、クッキーやピザなどを焼いて持ち寄る機会が比較的多くあります。手軽に焼ける紙製のマフィン用カップやケーキ型は色柄が可愛いものが並び、クッキングシートやラッピング・グッズもいろいろな種類や大きさのものが揃っています。小ぶりなガラスのビンは、自家製ジャムやパテを作った時にぴったりです。パーティーを開くなら、紙コップやお皿、ストローやプラスチックのフォースやナイフなども入用です。全部、ドラッグストアで用が足りてしまうので便利ですね。
最後に。
ドラッグストアに限ったことではないですが、ドイツで買い物をするときにはマイバッグを持っていきましょう。レジ袋は必要ならばもらえますが大抵は有料です。ただ最近は、見ようによってはちょっとお洒落なエコバッグなどをプチ・プライスで売っているお店もあるので、それはそれで購入アリかもしれません。
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