
ドイツ滞在ガイドA bis Z
ドイツってどんな国?ワーキングホリデー(ワーホリ)や留学、研究滞在、旅行などを計画している人なら、ドイツについてガイドブックや本で読んだり調べたりする方も多いことでしょう。だから、ここでご案内することは特に目新しいことではありません。どのガイドブックでも載っているような基本的な情報ばかりです。「そんなこと、もう知ってる」という人も多いことでしょう。でもここでは、そんな基本情報にステップインのスタッフがちょっぴり味付けをし、ドイツ在住日本人の視点から改めてご案内してみようと思います。もう知っている情報も知らなかった情報も、ドイツにこれからいらっしゃる皆さんには欠かせないことばかりです。どうぞご一読ください。
連邦共和国のこと
ドイツの正式名称は「ドイツ連邦共和国」。その名が表す通り、連邦共和制です。州は全部で16州。それぞれに州政府を持っています。ちなみにステップインのオフィスがあるのは、ドイツ西部の「ノルトライン・ヴェストファーレン州」です。ドイツの人口は2022年現在、約8380万人です。日本に比べると、国土面積は大して変わらないわりに人口は約6割強です。国旗の色は上から「黒・赤・金」。「黒・赤・黄」ではありません。以前、「黄色」と私が言ったことがあり、その場にいたドイツ人に「黄色じゃなくて金色だよ」と訂正されたことがあります。(見た目、違いはないですが)
連邦共和制、日本人にとって最初少し慣れないのは、州によって学校の休暇が始まる日が違ったり、一部祝祭日が異なること。全国一律ではありません。でも、学校の休暇時期が州によって異なると、“休暇大国”ドイツにとっては都合がいいんです。なぜかというと、学校が休みになると、その日から一斉にみんなバカンスに出かけるので、(休暇前の最後の授業日には、学校の前で車で待ってる親も結構います。子どもをピックアップして、その足で休暇に出かけるのでしょう)どの州も同じ日に休みが始まってしまうと、アウトバーンの渋滞がひどいことになってしまうからです。
ちなみに「学校の休暇」といえば、夏休みや冬休みは日本と変わりがないけれど、こちらには「イースター休暇」と「秋休み」があります。イースターのお休みは、日本でいう春休みに当たりますが、秋休みは日本にはないですね。こちらの学校は、4月ではなく夏休み明けから新年度が始まりますが、2カ月くらいたつと秋休みです。子どもたちにとっては、新年度がスタートした後の慌ただしい毎日からしばし解放される嬉しいお休みです。日本のゴールデン・ウィークのような感じでしょうか。
気候と旅のシーズン
ドイツは基本的に寒い国です。よくよく考えてみれば、ドイツの緯度は北海道・札幌市の緯度よりも高いので、寒いのも当然です。夏は平均気温が20℃前後。35℃を超す猛暑日もないことはないですが、それも長くは続かず、おまけに湿度が日本に比べて断然低いので、日本のような「熱中症」はドイツにはなく(暑さに比較的弱いドイツ人は、気温が25℃近くに上がろうものなら、もう弱音を吐いていますが)、とても爽やかで過ごしやすい季節です。
ドイツに四季はあるのでしょうか。日本では四季がそれぞれに美しく、季節の移り変わりはとても情緒があります。でもここドイツでは、そんな季節の移ろいを愛でる感覚はあまりありません。季節はある日、いきなり変わります。春・夏・秋、そして冬。冬は長くて寒いですよ~。そしてどんより暗い。一日中、全くお日様を見ないこともあるので、正直気分が滅入ります。特に11月辺りは最悪。12月だって寒いことは寒いんですが、クリスマスが近づき雰囲気はほんわかしているのでやり過ごせます。
こちらのお天気のことで特筆すべきは、朝晩の寒暖の差がとても激しいこと。朝は厚めのジャケットを着て家を出て、お昼すぎにはTシャツ一枚、なんて日もあります。冬場なら一日中寒いですが、夏場はこの寒暖の差をよく感じます。だからこちらでは、夏でも冬用の上着は必要な日があり、「衣替え」はドイツには存在しません。ある意味、楽でいいです。
旅のシーズンのこと。ずばり、個人的にお薦めする旅のベストシーズンは①「5~7月」②「10月」そして③「12月」です。
- すがすがしい夏本番。晴れの日も多く、旅にはぴったりです。
- ドイツには「ゴールデン・オクトーバー」という言葉があります。木々の葉っぱが黄金色に色づき、空気は澄みわたり、秋真っ盛りの10月です。ふらっと旅に出かけたくなる季節です。
- ドイツのクリスマスシーズンは雰囲気があって素朴で、とても素敵です。4週間前からアドヴェントのシーズンが始まると、クリスマス・マーケットが建ち、そうなったらもう町はクリスマス一色。寒いのも全く気になりません。というか、寒いからいい。毛糸の帽子に手袋をつけてしっかり防寒したら、温かいグリュー・ワインを飲みに出かけましょう!
時差とサマータイムについてお話しましょう。ドイツと日本の時差は8時間で、日本の方が早いです。サマータイム中は時差が7時間になります。例えば大晦日、ドイツの夕方16時に日本では一足早く「明けましておめでとう!」と新年が幕を開けます。 サマータイムは「3月の最終日曜日の午前2時(=午前3時)~10月の最終日曜日の午前3時(=午前2時)」です。毎年同じです。サマータイムが始まる日や終わる日には、ニュースなどでちらっとアナウンスが出たりもしますが、それほど大々的に告知されるっていうものでもありません。だから基本、自分でちゃんと気をつけておかないといけないわけで、家中にある時計はすべて忘れずに、1時間針を進めたり戻したりします。でも、やっぱりうっかり忘れちゃうことってありますよね。だからそういう人のために(?)、サマータイムの始まりや終わりは必ず週末、土曜日~日曜日になる夜中なんです。時計の針がそのままでも、ひとまず日曜日なので、普通は仕事もなければ学校もなく、家の時計が1時間進んでいたり遅れていたりしても、大して影響はないってわけです。
サマータイムって、毎年あるんですが、いつも「時計の針を1時間進めるの?それとも戻すの? どっちだったっけ??」と一瞬考えちゃいます。ドイツ人も考えてます。でもそんな時のために役に立つアイデアをドイツ人の同僚がを教えてくれました。 「夏が始まると、デッキチェアを「出して」日光浴を楽しむので、サマータイムが始まるときには時計の針を1時間進める(出す)。夏が終わるとデッキチェアをしまうので、サマータイムが終わるときには時計の針を1時間戻す(しまう)。」どうですか?こうやって考えたら、簡単でしょう。
お金のこと
ドイツで使われている通貨は「ユーロ」です。補助通貨は「セント」です。硬貨は1セント、2セント、5セント、10セント、20セント、50セント、それから1ユーロ、2ユーロがあります。キャッシュレスでの支払いが進むにつれて、特にセント硬貨はあまり使うことがなくなってきたように感じます。
紙幣は5ユーロから始まり、10ユーロ、20ユーロ、50ユーロ、それから100ユーロ、200ユーロ、500ユーロとありますが、普段の生活では100ユーロ紙幣以上はほとんど目にすることがなく、一番大きなお札というと大抵はオレンジ色の50ユーロ札です。100ユーロ札以上はあまり出回っていないのか、一般市民にとっては(少なくとも私にとっては)とても珍しいので、使う機会があると、スーパーのレジでもどこでも大抵、本物かどうかしっかりチェックが入ります(笑)。ちなみに、100ユーロは黄緑色、200ユーロは黄色、500ユーロは紫色です。
普段、スーパーで買い物をしたり、カフェやレストランで支払いをしたりする時の支払い方法も、ここ数年でぐっと変わりました。現金で支払いをする人が減り、クレジットカードやプリペイドカード、銀行カード(EC-Karte)で支払う人が大半を占めています。
ちなみに、現地で病院を受診した場合の支払い方法は、大抵の場合は銀行振込です。その他、家賃や電話代、学校の授業料の支払い等も銀行振込が主流です。
郵便のこと
郵便局ドイチェ・ポストは大抵、町に一つはあります。黄色いポストのマークが目印です。しかし最近は、郵便業務を扱う窓口を併設した小売店が増え、わざわざ郵便局に行かなくても用事を済ませられることができて便利になりました。
郵便局の営業時間はいろいろで、小さな郵便局の場合、大抵は昼休みがあります。窓口で直接切手を買い、普通郵便や書留郵便、小包などを送ることができますが、切手の購入はドイチェ・ポストのサイトからオンライン購入も可能です。郵便局では、定期的に記念切手も販売されています。クリスマス時期が近づくと、通常はその年のクリスマス記念切手が販売されるので、ぜひチェックしてみてくださいね。日本にいる家族や友達などに記念切手を貼って手紙を送ると、とても喜ばれますよ!
住民登録/銀行口座の開設/外人局でビザ申請
ドイツでの生活を始めるにあたって、まずは役所関係の手続きを行う必要があります。ドイツのお役所は一概にとても堅物。フレンドリーで気さくな雰囲気は残念ながら漂っていません。外国人が多く訪れる外人局の担当者などは、もう少し英語を話してくれてもいいのにと愚痴りたくなるほど、ドイツ語しか話してくれないことが多いです。そして、ドイツ語でのコミュニケーションがうまくいかないと、彼らは途端に機嫌を悪くします(怖い!)。ですので、言葉に不安のある方は、誰かドイツ語の分かる人に通訳として付き添ってもらうことをお勧めします。そうすれば気の重い手続きもスムーズに進むので安心です。
- 住民登録をするEinwohnermeldeamt
滞在する町の住民局で住所の登録をしてください。町によって異なりますが、市役所の中に住民課が設けられている町が多いです。 - 外人局でビザを申請するAusländerbehörde
滞在する街の管轄の外人局でビザの申請をしてください。ビザ申請時に必要な主な書類は、パスポート、住居証明(住民登録後にもらえる証明書)、証明写真、健康保険の証明書(ワーキングホリデーや語学留学、研究滞在ならステップイン旅行保険をおすすめします!)、財務証明、語学学校の入学証明書(語学留学の場合)などです。大抵の場合、外人局のサイトからオンラインで予約を取る必要があり、数か月先まで予約が取れないという街も多くありますので、早めに管轄当局のサイトを確認するようにしましょう。 - 銀行口座を開設する Girokonto
自分が滞在する町に支店があって利用するのに便利な銀行や、全国区の大手銀行(Deutsche Bank, Postbank, Sparkasseなど)、インターネット・バンクなど、自分に合った口座を開設しましょう。
ビジネスアワーのこと
日本のように24時間営業のコンビニなど存在しないドイツですが、一昔前に比べると、昨今、お店やスーパーの営業時間がかなり長くなりました。お役所関係、郵便局や銀行、スーパーや各種専門店など、毎日の生活に欠かせないあれやこれやの営業時間をご案内します。日本とは当然ながら勝手が違うけれど、慣れてしまえば何てことはありません。
- 銀行や郵便局
中規模の町の郵便局は大抵、午前中は9時~13時頃、お昼休みを挟んで午後は14時半~18時頃までが平日の営業時間です。土曜日は9時~13時までの午前中のみ営業。日祝日は休業です。大きな街にある比較的大きな郵便局ならば、通常は昼休みなしで営業しています。銀行は昼休みがあったりなかったり色々ですが、土日祝日は基本的にお休みです。でも銀行のキャッシュコーナーは週末も基本的に開いていますので、ATMでの現金の引き出しはいつでもできます。 キャッシュの引き出しは、スーパーのレジでも行っています。買い物をして支払いをする際に、「100ユーロ現金をおろしたいです」と伝え、自分の銀行カードを提示すれば、口座からキャッシュを受け取ることができます。買い物のついでに済ませられるので便利ですね。 - 役所関係
午前中のみ窓口が開いている所が多いです。大抵は事前に予約が必要ですので、いきなり押しかけても門前払いされてしまいます。 - 病院
救急病院や大学病院などの大きな病院は別として、町にある一般病院やクリニックは朝は早ければ7時頃から始まります。夕方は18時頃には通常閉まります。お昼休みは1~2時間閉まるのが普通です。水曜日の午後は通常、休診となりますので注意してください。 - 美術館など
通常は月曜日が休館で、土日は開館しています。 - 薬局
大体、病院の開いている時間帯と同じですが、土曜日も開いています。日曜日はお休み。でも日曜日に急に調子が悪くなって、薬が必要になることもありますよね。日曜日は通常、街にある薬局のうち、どこか1件は営業し、緊急時に対応できるようなシステムになっています。 - スーパーや専門店
日曜祝日はお休みです。日本の感覚でいると、日曜日こそショッピングをしたりスーパーで買い出しをしたりしたいところではありますが、どこも閉まっています。だから例えば日曜日に街中を歩くと、楽しめるのはウィンドウ・ショッピングだけです。でも、カフェやレストランは日曜日でも普通は開いています。
チップのこと
レストランやカフェなどでは、5~10%ぐらいを目安にチップを払う習慣があります。支払いは基本的にレジではなくて座っている席でするので、店員さんが伝票を持ってきたら、切のいい金額に適当に切り上げて支払うことが多いです(例えば47ユーロの請求だったら50ユーロ支払うとか)。もしくは、ひとまず請求金額をきっちり払って、もらったお釣りから少し小銭をチップとして机に置いておいてもいいです。店員さんは大抵、自分の担当している席が決まっていますので、自分たちの席を担当してくれた店員さんにお勘定を頼み、支払いをするようにしましょう。だから、その店員さんのサービスがよくて心地よく食事ができたなら、チップをはずんでもいいですね。
治安のこと 緊急時に備えて
ドイツの治安について、大抵の旅行ガイドでは「欧州諸国の中でも比較的治安はいい」と紹介しているのではないでしょうか。それは間違いではありません。普段、生活をしていて、常に危険と隣り合わせとか、スリがいないかいつも周りをキョロキョロ見ている、というような状況ではありません。またドイツはまさに移民の国ですので、外国人がとても多く暮らしています。電車などに乗っていても、ドイツ語ではない外国語の会話が飛び交っていることなどいたって普通。見た目思いっきり外国人の私ですが、自分が外国人であることを忘れてしまうくらいです。
日本外務省の海外安全ホームページでは、外国滞在が3カ月までの場合は、旅先・滞在先の最新の安全情報やいざという時の緊急連絡メールを受け取ることができるシステム「たびレジ」への登録を薦めています。
外務省ホームぺージhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/
外国に3カ月以上滞在する場合は、管轄の日本大使館や総領事館に「在留届」を提出することが義務付けられています。これを出しておくと、その地での緊急時に一斉メールが送られてきて、最新情報や注意事項を知ることができますので、とても大事です。外国語に不自由のない人でも、いざという時にはしっかり日本語で詳細情報を得られますのでとても安心です。現地での生活が始まると、住民登録をしたりビザの申請で外人局に行ったりといろいろ忙しく、在留届を出すことまで頭が回らない人も多いのではないでしょうか。でも届けは簡単に出せますので、管轄当局のサイトで確認なさってください。
慣れない外国で病気になったら、事故に遭ったら、盗難に遭ったら……、こればっかりは分かりません。ドイツは日本に比べると格段に寒い国なので、日本では病気知らずでも風邪を引いてしまうかもしれないし、体調を崩して救急車を呼ばなくてはいけないことがあるかもしれません。緊急時に備えてこの2つの電話番号だけは暗記しておきましょう。それから警察 (Polizeiポリツァイ)については、住んでいる町の中心部に大抵は駐在所がありますので、いざという時のために場所を確認しておくといいでしょう。
警察「110」
消防車や救急車を呼ぶとき「112」
メディアのこと
ドイツで暮らし始めたら、今この国で何が起こっているのか、巷の話題は何なのか、政治の話からエンタメまで、自分で情報収集したいですよね。かく言う私は、日本にいた頃はそうでもなかったんですが、こちらに来てからというもの、テレビのニュース番組がとってもおもしろいと感じるようになりました。なぜ?ニュースキャスターが素敵だから??それもあるかもしれません。(笑)もちろんドイツ語の勉強にもなります。テレビや新聞、雑誌について、主なもの、人気のあるものをご紹介します。
- テレビ
ARD/ZDF 公共放送。ニュース番組を見るならこのどちらかが確実です。
Sat.1/RTL 民法の人気局。ドラマや情報番組が充実しています。お笑い番組も山ほどあります(個人的にはあまり笑えませんが)
n-tv ニュース専門放送局。政治・経済・スポーツなど24時間報道しています。
Arte 文化教養番組や映画を見るならここ。フランス生まれのチャンネルです。
KiKA 子ども向けチャンネル。ドイツの子どもはみんな見ています。 - 新聞 全国紙も地方紙も充実しており、どちらもそれぞれ購読しているという人も少なくないです。購読しなくても、オンラインでも読めますので手軽です。
Frankfurter Allgemeine Zeitung (FAZ) 全国紙の筆頭。使われているドイツ語や表現が比較的難しいので、どちらかというとドイツ語上級者向けです。写真があまりないので文字の洪水といった感がありますが、読み応えはあります。
Die Welt FAZ と肩を並べる全国紙。文化エンタメ覧も結構充実しています。FAZより気軽に読めるのでおすすめです。
Süddeutsche Zeitung ミュンヘンなど南ドイツを中心に読まれています。
Reinische Post 日経企業が多く、日本人が多く住むデュッセルドルフなどで主流の地方新聞です。
Bild ドイツの大衆紙といえばビルト紙。街角に備え付けらえた販売機から直接購入できます。ショッキングな写真が一面を飾っていることが多いので、立ち止まって紙面を読んでいるドイツ人も多いです。
保険プラン(保険料/月)
- 基本プランに含まれています。
オプションプランのうち保険料が別途明記されている保険は、ご希望に応じて補足加入が可能です。各保険の補償内容の詳細は日本語の保険約款でご確認いただけます。
長期滞在時のおすすめ「ファーストクラス」「ファーストクラスゴールド」
ステップインがご提供する保険は、ドイツ旅行保険大手HanseMerkur社とAdvigon社の保険です。
現地滞在期間または保険契約期間が13カ月以上になるお客様につきましては、新規・延長契約ともに疾病保険の保険者が同社子会社のADVIGON社となります。(ドイツが主な滞在国となる場合は、ご契約期間4か月以上の場合)
保険プランや補償内容等は同じですので、どうぞご安心ください。



