〇秋の味覚
秋は何といっても果物が美味しいです。りんご、ぶどう、いちじく、ざくろ、桃など、秋ならではの果物がスーパーや市場に並び始めると、もうあれこれ買わずにはおれません。それから、まさに秋の顔をして店頭に並ぶのが「かぼちゃ」。
こちらでは、バターナッツといわれるひょうたんの形をした薄いベージュ色のかぼちゃをよく見かけますが、その名も「HokkaidoKürbis(北海道かぼちゃ)」という日本人にはとても馴染み深い、オレンジ色でまあるいかぼちゃも手に入ります。それからこの時期の味覚として忘れてはいけないのがキノコ類。新鮮なものが市場に並ぶのを待って、美味しくいただきたいですね。
〇ザンクト・マルティン
ドイツの秋といえば「ザンクト・マルティン(Sankt Martin)」。聖マルティンの伝説に因んだ、冬の始まりを告げる伝統的なお祭りです。
日が沈んで暗くなり始める秋の夕方、子どもたちが手作りのランタンを手に、マルティンの歌を歌いながら市内を練り歩きます。家々を回って、そこで家の人からお菓子などをもらえるのが子どもたちの楽しみの一つです。
それからこの時期になると、パン屋さんにはベックマン(Weckmann)と呼ばれる人の形をしたパンが並びます。白いパイプ(これはデコなので食べれません)を加えた甘いミルクパンで、頭から食べようか足から食べようか、いつも迷ってしまう、子どもたちに大人気のパンです。
〇りすのえさ集め どんぐりや落ち葉拾い
ドイツに来て嬉しかったことの一つ。普通の公園などでリスを時々見かけることです。もちろん大きな街に住んでいるのか、田舎に住んでいるのかによっても違いますが、案外普通にリスが木を登ったり下りたりしているのを見ることができます。秋になると、リスたちはもうすぐそこまで来ている冬支度を始めるので、木の実を探すのに忙しそうに駆け回っています(もしかしたら遊んでいるだけかもしれませんが)。大きくてふさふさしたトレードマークのしっぽが目立つので、目の端にそれがチラっと見えたら、思わず足を止めてしまいます。「今日はラッキーな一日だな」と、ふと嬉しくなります。
〇学校の秋休み
はい、ここでなぞなぞです。「日本の学校にはなくてドイツの学校にあるもの、なんだ?」。答えは「秋休み」です。ドイツの学校は、日本のように4月ではなく、夏休み明けの秋に新学期を迎え、州によって異なりますが大抵は10月に2週間ほど秋休みがあります。
慌ただしくスタートした新学期がここでちょっと一休み。日本のゴールデン・ウィークのようなものでしょうか。休みの間は(これまた日本と違い)宿題が普通はないので、子どもたちは羽を伸ばし放題。パパやママもそれに合わせて休暇を取る家族が多く、短い秋を思う存分楽しみます。
〇渡り鳥
夏が終わって秋風が吹く季節がやってくると、渡り鳥が飛んでいくのをよく目にします。冬の厳しい寒さを逃れ、エサを得るために南に向かう鳥たち。1日が終わって、家路に急ぐ途中で空をふと見上げ、渡り鳥の群れを見かけると、ふとため息をついてしまうのは私だけでしょうか。にぎやかな夏の夕暮れとはまったく違う、秋の静かな夕暮れです。
〇日が短くなる
当然ながら、冬が近づくにつれて日が短くなります。ドイツでは夏場は夜11時近くまで薄っすらと明るいぐらい日が長く、冬には日本と同じように夕方5時くらいには暗くなります。夏と冬の差が激しい分、日が短くなっていくのが日ごとにしっかり実感できます。
〇合言葉は「gemütlich」「kuschelig」
外が暗くて寒いなら、お家時間が断然長くなるのがこの季節。心地よくて(gemütlich)ポカポカと暖かく、家族で寄り添いながら(kuschelig)過ごす時間が楽しみな季節です。お誕生日などの特別な日ではなくてもロウソクに火を灯し、暖かな毛布にくるまってお気に入りのホットドリンク飲むひととき。秋の夜長を快適に過ごす方法をドイツの人はよく知っています。
〇クリスマスの準備を始める
そして、この時期になるとドイツ人がいそいそと心待ちにし、気の早い人なら準備を始めるのがクリスマス。本格的にクリスマスシーズンを迎えるのは最初のアドヴェント(Advent)を迎える週末ですが、店頭には10月頃から(いやもっと早い?)、クリスマスのお菓子やチョコレートなどが並び始めます。
クリスマスにはまだちょっと早いけれど、この時期から少しずつ準備を始めると後で慌てなくていいのが「アドヴェンツカレンダー(Adventskalender)」。12月1日からクリスマスイブを迎える24日までの24日間、イブの日を心待ちにしながら1日ずつ扉を開けていくこのカレンダーは、もちろんお店でも買えますが、子どものいる家庭や手作り派なら、毎年いろいろなアイデアを出して自分で作ります。24までの数字の下に何が隠されているかはお楽しみ。お菓子やちょっとしたプレゼントなど、それを開ける人のことを思い浮かべながら作るのは、この時期のお楽しみです。
〇夏時間が終わり冬時間へ
10月最後の週末、土曜日から日曜日に日が変わる真夜中に夏時間が終わります。なのでその日曜日は、いつもより1時間長くベッドにもぐっていられますよ。冬時間が始まると、日本とドイツの時差は8時間(日本の方が進む)になります。