ボンへようこそ! ベートーヴェン生誕250周年

2019年暮れにオーストラリアの旅行雑誌大手「Lonely Planet」が発表した恒例の「2020年に旅行したい世界の街トップ10」で、ボンが何と堂々の5位に入りました。これには正直なところ、地元のボン市民自身も驚いた感がありましたが、実はそれにはちゃんと理由がありました。ボンはベートーヴェンの生まれ故郷として世界的に知られていますが、今年2020年はその生誕250周年にあたり、ボン市は街を挙げてお祝いイベントに力を入れています。例年行われている「ベートーヴェン祭」も、今年は規模が拡大されて行われることになっており、ベートーヴェンファンはもちろんのこと、クラシック音楽好きなら今年を逃す手はありません。ボンがいつにもましてベートーヴェン一色に染まる2020年。どうぞこの機会にボンへ、そしてドイツへいらっしゃってください。

©Michael Sondermann

ベートーヴェンは日本でも最も知られた歴代の音楽家の一人に数えられていますが、生まれ故郷のボンならなおのこと。街が生んだ最も有名な「息子」としてその名が知られています。ドイツ全国にある通りには「ベートーヴェン通り」という名前の通りが最も多いとも言われており、ベートーヴェンのドイツでの知名度がうかがえます。

ベートーヴェン・イヤーを迎えた今年2020年。ボンの街を歩いていると、街角にベートーヴェンのポスターが貼ってあったり、駅の構内にベートーヴェンのイラストがデコレーションされていたり、お菓子屋さんにベートーヴェンの顔を象ったクッキーがあったり、クリスマスマーケットでは、グリューワインを飲むマグカップにベートーヴェンのイラストが描かれていたりと、彼の顔を目にしない方が難しいほどです。そういえば、地元ラジオ局でも、ベートーヴェンのお馴染みのフレーズが流れています。
ステップイン旅行保険のオフィスがあるボンで生まれたこの偉大な音楽家の生涯、ボン観光に外せない「ベートーヴェンの生家」や所縁のある場所、2020年に予定されているベートーヴェン祭情報など、盛りだくさんでご紹介します。

ベートーヴェンの生涯

1770- ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven)は1770年12月にボンで生まれました。誕生日の正確な日付は分かりませんが、当時の教会記録には洗礼日が12月17日であったと記されています。祖父と父が宮廷歌手という音楽一家に生まれた彼は、幼い頃から音楽のスパルタ教育を受けました。

1778- 8歳の時にケルンで初めての演奏会を開きました。宮廷オルガン奏者だったネーフェという素晴らしい恩師に恵まれ、ピアノと作曲を学び始めます。

1782-83 ピアノソナタなど最初の楽曲を発表したのはこの頃です。アルコール依存症だったと言われる父を助けて、早くからオルガン奏者として家計を支えます。恩師ネーフェは当時の彼を「第2のモーツァルト誕生」と称していたようです。

1786-1787 かねてから憧れ、当時「神童」と呼ばれていた天才モーツァルトに弟子入りすべく12歳でウィーンに旅立ちますが、母マリアの危篤の知らせを受けてボンに戻らなくてはなりませんでした。最愛の母の死後は、父を助けながら幼い兄弟の世話をしつつ、家計を支えるつらい時期を過ごしました。

1792- モーツァルトの死後1年後、ベートーヴェンは再度ウィーンの地を踏みました。そこで彼はハイドンに弟子入りし、その後の生涯をウィーンで過ごすことになります。

1795- 初めての演奏会を披露。若きピアニストまた作曲家としての彼の名声がウィーンに広まり始めます。しかしながら、20歳半ば頃から難聴の兆候が表れ始め、彼の変わり者としての性格が顕著に見られるようになります。

1800- 30歳になる頃には、最高度の難聴者、つまりほとんど全く耳が聴こえない症状になっていたと言われ、音楽家として致命的な状況に陥ります。当時の絶望的な状況や精神的苦悩は、彼が弟に送った「遺書」にも表れています。この頃彼は「月光」を発表しています。これは恋に落ちたジュリエッタに捧げた曲ですが、その恋も最後は失恋に終わります。ベートーヴェンにとっては辛い時期となりました。

"Ich will dem schicksaal in den raschen greifen, ganz niederbeugen soll es mich gewiß nicht"
(私は運命の喉首を締め上げてやる。決して運命に圧倒されない―1801年にボンの友人に宛てて書いた手紙より)

しかしながら音楽家としての道を貫くことを諦めなかったベートーヴェンはその後、次々と楽曲を発表していきます。交響曲第5番「運命が戸を叩く」という言葉で知られる「運命」、「第九」として名の知られる交響曲第9番「歓喜の歌」などの大作を始め、数々のピアノソナタやオペラ楽曲を精力的に書き続けました。

"Ich schreibe lieber 10000 Noten als einen Buchstaben"
(1つのアルファベットを綴るよりも、10000の曲を書く方がいい―1820年、ボンの知人に宛てて)

1827―3月26日、ベートーヴェンは56歳でこの世を去りました。その生涯に残した大作には9曲の交響曲、5曲のピアノ協奏曲、32曲のピアノソナタ、16曲の管弦四重奏曲、オペラ「フィデリオ」などがあります。

"plaudite amici, comoedia finita est."
(友よ、喝さいを。喜劇は終わった―死を前にし、語った言葉だと言われる)

ベートーヴェンゆかりの地

ウィーンに移るまでの22年間をベートーヴェンが過ごしたボンの街には、ベートーヴェン所縁の場所が数多くあります。ボン観光のメッカであるベートーヴェンの生家を始め、ボン市内で歩いて回れるベートーヴェン・スポットを紹介します。

1.ベートーヴェンの家

ベートーヴェンの生家( Beethoven-Haus)は、ボンの市内中心地にあり、ミュージアムとして一般公開されています。生誕250年を迎えた2020年を前に2019年暮れにリニューアル・オープンし、ミュージアムショップがミュージアム向かいにオープンしたほか、展示室やコンサートホールなどが新たに加わりました。
生家は現存する数少ない18世紀バロック建築の建物で、可愛らしいピンク色の壁面が目印です。連日ミュージアム前は観光客で賑わっているので、いずれにせよすぐに分かります。中庭もぜひ覗いてみてください。通りの喧騒と打って変わって心地良い静けさが漂い、とても趣があります。

ベートーヴェンの人と成りを最もよく表現していると言われ、「これぞベートーヴェン」と誰もが頷く有名な肖像画や絵画切り絵などの作品、ベートーヴェンが実際に使っていた楽器やオルガン用机、ウイーン時代、部屋に置かれていたクルミの木でできた書き机、直筆の楽譜、若き頃の親友に宛てて書いた手紙、難聴を改善するために使用した器具(実際には残念ながらあまり効果がなかったようですが)、ベートーヴェンの亡くなった翌日に職人によって制作されたデスマスクまで、ベートーヴェンの人生を物語る貴重なオリジナル品が数多く収集されています。1826年、ウィーンのピアノ建築家コンラード・グラフがベートーヴェンのために作り、晩年の彼が使用したピアノも残されています。

特別展/常設展:随時開催されています。チケットはミュージアムショップで購入可。
コンサート:1989年に誕生したコンサートホールで様々なコンサートが催されています。週末に行われる定期コンサートでは、ミュージアムに保管されている貴重な楽器の音色を聴くことができます。(毎週金・土曜日17時~、日曜日11時~。入場料5ユーロ)

併設ミュージアムショップ

ミュージアムの通りを挟んで向かいに新しくオープンしたミュージアムショップでは、ベートーヴェンの音楽関連グッズや書籍、ポスターやTシャツ、文房具や雑貨など、ベートーヴェン好きならずとも、ボンのお土産にぴったりのグッズが揃っています。

Beethoven-Haus Bonn
Bonngasse 20, 24-26, 53111 Bonn
行き方:ボン中央駅からマルクトのある市内中心部に向かって約徒歩5分。
開館時間:10時~18時
休館日:カーニバルやイースター、クリスマスの祝日
入場料:一般10ユーロ(各種割引あり)。チケットはミュージアムショップで購入するほか、オンラインでも購入できます。
無料メディアガイド(日本語あり)
https://www.beethoven.de/

2.マルクト広場

ボンの旧市庁舎があるマルクト広場には当時、ボン中の社交好きが集まったという(居酒屋の娘さん目当てだったとか)居酒屋があり、ベートーヴェンもよくそこに足を運びました。1792年、ウィ-ンへの旅立ちを前に、ベートーヴェンはここで親友たちに別れを告げました。

3.ライン川

1778年、ベートーヴェンはケルンで初めてのコンサートを行いました。その後も彼は、ライン川を船で渡ってヨーロッパ各地へ旅立っています。ライン川はベートーヴェンにとって故郷とつながる大切な存在でした。ウィーン移住後、ボンに住む友人に宛てた手紙の中で、ベートーヴェンはライン川への郷愁を書き綴っています。
"Mein Vaterland, die schöne Gegend, in der ich das Licht der Welt erblickte, ist mir noch immer so schön und deutlich vor meinen Augen, als da ich Euch verließ. Kurz ich werde diese Zeit als eine der glücklichsten Begebenheiten meines Lebens betrachten, wo ich euch wiedersehen und den Vater Rhein begrüßen kann."
「私の父なる美しいライン川、私が生まれたこの地よ。この地を去る今も、私の目の前に美しく輝いている。私の人生において最も幸福な思い出はこの地に残る。あなたたち、そしてこのライン川にまた会う日まで。」

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ボンで出合うベートーヴェン

ボンの街の至る所で「出会う」ベートーヴェン。中でも“出会っておきたい”ベートーヴェンをご紹介します。大抵彼はしかめっ面をしていますが、ぜひ皆さんはにこやかに、一緒に記念撮影をしてくださいね。

1.ミュンスター広場

ボン中心部にあるミュンスター広場(Münsterplatz)には、大きなベートーヴェンの記念碑が立っています。1845年8月12日、ベートーヴェンの生誕75年を機に、またその年に初めて開かれたベートーヴェン祭を記念して立てられたもので、ボン市民に最もよく知られベートーヴェン像です。ベートーヴェンと言えばほとんどの人がこの顔を思い浮かべるほどです。ミュージアムから徒歩数分の距離にあるこの広場にはオープンカフェがあり、おしゃべりをしたり本を読んだり、日向ぼっこをしたりする市民でいつも賑わっています。クリスマスシーズンにクリスマスマーケットが開かれるのもこの広場です。

ドイチェ・ポストのお膝元ボンを象徴する郵便局の黄色い大きな建物を背景に、手入れの行き届いた花壇に囲まれて強面顔(!)で立つベートーヴェンは、そんな市民の日常を静かに見守っています。彼の周りには、記念写真を撮る観光客や遊びまわる子どもたちの元気な声がいつも絶えません。

ちなみに、この広場に来たらぜひついでに郵便局に立ち寄ってみてください。2020年年明けに、ベートーヴェンの生誕250年記念切手(80セント切手)が発売されました。ドイチェ・ポストの歴史上、最大の6億2600万部が発行され話題になりました。ボンを訪れたら、街の絵葉書にベートーヴェンの切手を貼って友達に出してあげたらきっと喜ばれるでしょう。

2.ベートーヴェンホール 

残念ながら2020年には間に合わなかったものの、現在リニューアルが急ピッチで進んでいるベートーヴェンホール(Beethovenhalle, Theaterstr. 24)にあるコンクリートで造られたベートーヴェンの顔のモニュメント「Beethon」はかなり見ごたえがあります。1986年にデユッセルドルフのアーティストKammerichsが5カ月かけて完成させた作品で、ベートーヴェンの迫力ある表情がとても印象的です。

また建物内のフロアには、フランス人彫刻家Bourdelleが手掛けたベートーヴェンの胸像があります。1952年、ドイツーフランス間で文化協定が結ばれたのを機に、ボン市が授かったものです。外テラスには、その名も「Beethoven1959」と名付けられた真鍮アートが鎮座しています。こちらもなかなか斬新な作品で見ものです。

3.ボン市庭園

市内中心部からもさほど遠くないボン市庭園(Stadtgarten, Am Hofgarten)には、彫刻「ベートーヴェンへのオマージュ(Hommage an Beethoven)」があります。作者はドイツ現代アートをリードする彫刻家リューペルツ(Lüpertz)。よく知られる厳しい印象のベートーヴェンとは一風変わった2014年の作品で、庭園の緑との調和がとても美しいです。庭園のある界隈は市内中心部とは落ち着きのある旧市街。お天気のいい日にぐるりと散歩がてら足を運んでみてはいかがですか。

4.ラインアウエ(緑地公園)

普段はジョギングをしたりピクニックをしたりする市民が集い、フリーマーケットや野外コンサートなども行われるボン郊外の広大な緑地公園ラインアウエ(Rheinaue, Ludwig-Erhard-Allee 20)内には、座った格好のベートーヴェン像があります。石でできたこの作品は上半身が裸で少し俯き加減ですが、その表情は紛れもなくベートーヴェンです。しかしこの広場は何といっても広大な敷地なので、どこにこのベートーヴェンが座っているのか、見つけられた人はかなりラッキーかもしれません。

ベートーヴェン祭2020

ボンでは毎年、秋にベートーヴェン祭(Beethovenfest)が開催されますが、今年2020年には、それに加えて3月にも特別にお祝いイベントが計画されています。ボンそれから近郊の街では、コンサート、展覧会、講演会など、ベートーヴェンにちなんだ催し物が目白押しです。人気のあるプログラムはチケット入手をお早目に。

全プログラムの情報はベートーヴェン祭2020の公式サイトでご覧いただけます。
www.bthvn2020.de

おすすめの展覧会
「BEETHOVEN WELT. BÜRGER. MUSIK」
ベートーヴェン・ミュージアム所蔵品を始め、ベートーヴェンが生きた時代と彼の生涯を物語る当時の貴重な作品が世界中から集大成する大展覧会。会場はボンの“美術館島”ともいえる界隈にある美術館の一つ。ボン中心部からは地下鉄などで10分ほどです。ボン観光の際にはぜひ足を運んでください。

2020年4月26日まで、月曜休館
Bundeskunsthalle, Bonn
Museumsmeile Bonn, Helmut-Kohl-Allee 4, 53113 Bonn

春にボンを訪ねたら

ボンの街が「桜の名所」として知られるようになったのは、いつからでしょうか。市内中心部から歩いてすぐのところに桜並木が続く界隈があり、毎年、春の息吹を感じる季節がやってくると、市民は桜の開花を心待ちにするようになりました。桜を見て美しいと思う気持ちは、ドイツ人でも日本人でも同じなんですね。


ご存じの通り、桜は開花し始めたと思ったら、ほんの1週間かそこらで満開となって見頃を迎え、そうかと思いきや、お天気に恵まれずに雨風が強い日が続いてしまったら、あっと言う間に散ってしまいます。毎年、ボンでは4月初旬から半ば頃に絶好の花見シーズンを迎えます。ボンに観光で訪れるなら、クリスマスシーズンもいいですが、薄紅色の花びらが旧市街に舞う春もぜひおすすめします。
https://www.kirschbluete-bonn.de/

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